ごくまれに登山道のゲートに動物除けの電気柵が設置してあるところがありますが、もし電気柵の電気が漏電していると感電してしまう可能性がありますので通行する際は注意が必要です。
昔、学校(ちなみに工業高校)の先生に聞いた話ですが、人間の筋肉は感電すると反射的に屈曲してしまうので、高圧の電線に触って感電した人の手は、自分の意思とは無関係にその電線を強力な力で握ってしまい、いったん握った手は絶対に外れなくなってしまうらしいです。
そして、周りの人がその感電した人を救助するため電線を握りしめた手を外そうと体をつかんだ瞬間、その救助に入った人も感電して指が屈曲してしまい、救助する人が次から次へと連鎖的に感電してしまうという状況に陥ってしまうそうです。
感電した人の適切な救助法としては、電線から外れなくなった手を棒などで殴って骨折させてから手を外す他ありませんが、ちょっとした注意をすることでこの感電を防ぐことが可能です。
それは、電気が通電しているか確認するために電線に触る必要がある場合は、必ず「手の甲」で触るようにするということ。
電気が流れているかチェックするために「手の平」で触ってしまうと、仮に感電してしまった場合に指が反射的に屈曲し握りしめてしまうので外したくても外せなくなってしまいます。
しかし、「手の甲」で軽く触れるようにすれば、仮に高圧の電圧がかかっていて感電し指が反射的に屈曲したとしても、一瞬「ビリッ」とするだけで電線を握りしめてしまうということはなくなります。
そのため、登山道のゲートに電気柵が設置してある場合も、むやみにゲートの取っ手に手を掛けるのではなく、最初は「手の甲」で軽く触れるようにして「ビリッ」としないか確認するようにした方が安全です。
いきなり「手の平」でゲートの取っ手を握ってしまうと、万が一電気が漏電していた場合、感電してしまい握った手が外せなくなってしまいますので注意しましょう。
そして、もしも感電してしまった人を見つけた場合は、絶対に感電した人の体をつかんで取っ手から外そうとしてはいけません。
このような場合は、体当たりしたり、蹴りを入れたり、棒で殴りつけるなどして取っ手を握りしめた手を外すようにしないと、連鎖的に感電し被害が拡大してしまうことになります。